大したことは言えない 燃ゆる女の肖像感想_1

燃ゆる女の肖像の感想

これは内容に対する感想ではないのだがまず言いたいのが主役、マリアンヌの女優さんの不思議な目と顔

男の子っぽいし、黒目がものすごく大きくて一人だけファンタジー映画の登場人物のよう。

今調べたらどうやらカラーコンタクトだったらしい。瞳の演出は後であるけど、真っ黒にする必然性ってなんだったんだろう。見た目的に強そうに見えるから男性っぽくはなるけど、オルフェウスの役割だからと言ってそんな風にする必要あるのか?

彼女のキャラクターは優秀で自信に溢れた、一人でもまぁうまくやっていけるタイプの女性。自分の技術を信じていて困っていることはあまりなさそう。

そんな彼女が結婚を控えた女性、エロイーズと出会いお互いに惹かれあっていくという物語。

映画を見てまず違和感を覚えたのは初めて肖像画を完成させてエロイーズに見せるまでが割と長めになっているように感じたこと。

普通の映画だったら、エロイーズの家に到着してから実は肖像画を描いてましたと打ち明けるまでがもっとスピーディになっていたんじゃないかと思う。

なぜそこまでをゆっくり描いたのか?というのは、見る見られるの関係がこの映画で重要なところになっているからだと私は感じた。

一方的に、モチーフとしてエロイーズを眺めるお仕事的な時間をちゃんと描かないと後々のステップに引っかかりを作るのが難しくなるのかもしれない。

マリアンヌがエロイーズに隠れて肖像を描く時、一方的に盗み見て彼女を記憶する。しかしそうやって描いた絵はうまく描くことはできなかった。

マリアンヌはエロイーズと見つめ合い、一方的にエロイーズの情報を得るだけではなく、エロイーズにも見つめ返される。そしてお互いに見つめ合った二人はお互いを知り、愛し合うことになる。

冒頭の「燃ゆる女の肖像」の絵は、マリアンヌが記憶の中のエロイーズを描いたものだ。きっとうまく描けているのだろう。はじめは空で描けなかったエロイーズの肖像をマリアンヌは空で描くことができるようになった。

最後の場面、エロイーズはマリアンヌに気づくことはない。マリアンヌは一方的に泣くエロイーズを見つめることになる。最初の場面ではなるべく気づかれないようにエロイーズを盗み見ていたが、最後にはもしかしたら気付いて欲しいと思ったのかもしれない。

うーんその辺は微妙…もし自分がマリアンヌだったら、自分のことを思い出しながら泣いてくれるエロイーズを気付かれず眺めていられるのは本当に幸せだから、気付かれたくないかも。(自分の葬式を見てみたいような気持ち)

エロイーズはこの時にマリアンヌを思い出している≒見つめている ので見つめ合っているのと同じなのではと思うのは乱暴すぎる?

印象的だったところ

みんなで中絶用?の草とかを取りに行くシーンで何か中絶について話したりもせず、やるべきことをやるという感じで草を取っている場面が良かった。←こういうところで変に感傷的にしたり、嘘っぽいことをしないから後半のロマンチックすぎるようなやりとりが活きる

 

オルフェウスの幽霊になった妻を振り向いてしまった神話

もう一度見て考えること↓

幽霊の(花嫁衣装の)エロイーズのイメージは実際に見る前にも現れていたがそれはなぜ?

オルフェウスの話について、花嫁衣装着てる場面では重要になってくるけど他の場面でもそう?

海に何度も行くけど海で起きてることってなに?あの映画の海はなにを意味している?

オルフェウスが海に打ち上げられている有名な絵と関係ある?首だけない肖像画と、首だけになったオルフェってなんか意味がありそうな